清宮零による同名小説の映画化
昭和19年、旧海軍甲種飛行予科練習生に志願し、土浦海軍航空隊に入隊する。翌年、終戦の為8月18日サイパン島に強制着陸してB29を撃破するという任務を解かれ、「105特別攻撃隊」は横須賀通信隊に戻り解散した。本作品はこういった原作者自身の体験に創作を加え、製作された。
監督には「童貞放浪記」「結び目」等の人間描写を丁寧に描き撮る事に定評のある俊英、小沼雄一がメガホンをとった。
主演の勝雄役には、2012年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、アッバス・キアロスタミ監督作品「ライク・サムワン・イン・ラブ」で主演を務めた奥野匡。文学座や劇団NLTを経て、85歳の高齢にもかかわらず、精力的に俳優活動を行っている。ヒロイン紀和役には、大林宣彦監督作品「あした」や阪本順治監督作品「北のカナリアたち」に出演の高橋かおり。その他、邦画界には欠かせない山下徹大や小山田サユリ。さらに、いぶし銀の演技が光る、ベテラン織本順吉らが脇を固めた。